リアルにつながる
Facebookをはじめたのは、2011年。
東日本大震災が起きた年でした。
震災から一週間後にウェザーニュースが調査
したところ、被災後に最初に家の人や友人と
連絡がついたのは、
固定電話 3時間35分
携帯電話 3時間45分
携帯メール 3時間09分
インターネットメール 3時間16分
災害用伝言板 3時間39分
これに対して、twitter、mixi、Facebookなどの
SNSは、
2時間03分
という圧倒的な速さでした。
今とは随分、事情が違います。
SNSは一括りだし、LINEも存在していません。
しかし、当時、震災の仕事をしていた私は
この数字に衝撃を受けました。
中でもFacebookは、世界中とのつながり、
書き込める量の多さ、迅速性で圧倒していました。
「ここでコミュニティを作れば、震災のときに
助け合うことができるかもしれない」
真剣にこう考えて、書き始めたのです。
とはいえ、当時、twitterばかりに書いていた
私は、何を書けばいいのかわからない。
とりあえずは、日々のウォーキングを記録
してみました。
会社の仲間を含めて、友だちは、5、60人。
こんな状態が、ずっと続いていたのです。
「もっと拡大して、ネットワークを作りたい。
Facebookの強みは、情報量の多さだ」
そう信じていた私は、文章を徐々に長く
していきます。
しかし、多くの人から、
「おまえ、長い文章なんて読みたいと思うか?
『詳しく読む』をクリックしてまで読む奴は、
よほどのひま人か、ネットを知らないんだ」
と言われます。
そうかな・・・
それはネットを知っていても、
人間を知らないんじゃないかな。
ある程度の文章量があっても、
人の共感を得て、コミュニティをつくる
ことは可能だ。
糸井重里さんの「ほぼ日コラム」を読みながら
そう確信していたのです。
「とにかく毎日、書こう。
面白半分で集まる仲間ではなく、
良質で、誰かがどこかで被災にあったとき、
手を貸してくれる気持ちのある人を
つなげていきたい」
そんな思いで、書き始めたのです。
もうすぐ震災から7年。
この間、毎年1000本以上のコラムを
書きました。
総数にすれば、8000本近い文章を
書いています。
現在、友だちは、3840人。
嬉しいことに、ここ1、2年、
友だちが、ネットからリアルの世界に
飛び出て、全国のあちこちでつながり、
仲間を増やし、いくつものコミュニティが
生まれてきています。
普通なら初めての人に会うのは緊張するもの。
しかし、Facebookに集う仲間は、
昨日の晩御飯がなんだったかをお互い知っている
ような関係です。
「はじめてなのに、なつかしい」
この感覚こそが、Facebookコミュニティの
精神ではないでしょうか。
さて、今回の「男の変わりドキ!」です。
人からなんと言われても、信念をもって
圧倒的な量産を続けること。
そのうちに、人も社会もダイナミックに
変わります。
もちろん、離れて行く人もたくさんいます。
それに固執しないことも大切。
縁とはそういうものなのです。
もしこれを読んで、興味をもたらたら
Facebookで「ひきたよしあき」を
検索してください。
友だちになりましょう。
リアルにつながりましょう。
<ひきたよしあきプロフィール>
1960年生まれ
株式会社 博報堂クリエイティブ・プロデューサーとして働く傍らで、明治大学で講師を勤める。現在朝日小学生新聞にコラム「机の前に貼る一行」日経ウーマンオンラインに「あなたを変える魔法の本棚」を執筆中。著者に「あなたは言葉でできている」(実業之日本社)「ゆっくり前へ ことばの玩具箱」(京都書房)」「大勢の中のあなたへ」(朝日学生新聞社)「机の上に貼る一行」(朝日学生新聞社 最新刊)がある。