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パソコンを新しくする

パソコンを新しくしました。
出張の多い生活を考えて、薄型のMACにしました。
色はゴールド。カバーをつけて、ハワイのお土産に
もらったSNOOPYのスティッカーを貼ると、
途端に「MY MAC」になりました。

前回購入したのは、2011年。
東日本大震災のあった5月頃でした。
被災地に行く機会が増えたため、当時一番薄かった
MACを購入。東北新幹線の中で、幾度となく
悲しい文章を打ったものでした。

自分の文章が活字化される。
大学生の頃にはこれに憧れたものです。
まだワープロもない時代。書くものは全て手書きです。
原稿用紙の束に穴をあけ、こよりで縛る。
下手くそな字に落胆しつつ、いつの日か自分の
書いた文章が活字化されるのを夢見たものです。

会社に入って初めてのボーナスで買ったのが
ワープロでした。
嬉しくなって、コピーをワープロで書き出すと、

「ちゃんと、原稿用紙に書いて持ってこい!
活字でゲタ履かせたらあかんで」

と怒られたのを昨日のように覚えています。

あれから何台のワープロを買い、パソコンを買い、
今のMACにたどり着いたのだろう。
もはや思い出すこともできません。

毎日恐ろしいほど長い時間、顔を向き合わせて
いるパソコン。
8時間、10時間、パソコン作業をしている日は
ざらにあります。
ベッドから落としたり、感情のままにバンバン
キーボードを叩いたりするのに、健気に私の思いを
活字化してくれる。それでいて滅多に壊れることも
なく、多くの友だちや情報とアクセスする
要にもなってくれている。
それだけにガタがきて、突然フリーズしたり、
キーが変換できなくなった時は焦りした。
機械が壊れたというよりは、
自分が消滅してしまう気分に駆られました。

自分を全て失わないうちに、
新しいものを買い求め、必要な情報を
移行させながら、自分までもが激しく新陳代謝
して行くように思いました。

パソコンを変える。
これもまた立派な男の変わりドキ!なんですね。

最近の学生の中には、
論文をスマホで書く人が結構います。
講義中にパソコンばかりいじっているので
イライラしていたら、スマホで講義ノートを
とっていました。

時代は激しく変わりつつあるけれど、
おじさんは、SNOOPYのスティッカーのついた
MACを定年まで大事に使います。

なおこの文章、初めて新しいパソコンで
書き上げました。
新しい私が始まった気がしました。


<ひきたよしあきプロフィール>
1960年生まれ
株式会社 博報堂
クリエイティブ・プロデューサーとして働く傍らで、明治大学で講師を勤める。現在朝日小学生新聞にコラム「机の前に貼る一行」日経ウーマンオンラインに「あなたを変える魔法の本棚」を執筆中。著者に「あなたは言葉でできている」(実業之日本社)「ゆっくり前へ ことばの玩具箱」(京都書房)」「大勢の中のあなたへ」(朝日学生新聞社)「机の上に貼る一行」(朝日学生新聞社 最新刊)がある。

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