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いいね!は、いいね!

フェイスブックを開いたら、

「今年、これまでに14万人の方が、あなたに
『超いいね!』を押してくれました」

と連絡がありました。
毎日書いている2,3本のコラムに対し、
これだけ多くの方に評価され、愛されている
ことを思うと、胸がじんわり熱くなります。

「いいね」

の中にはいろいろな意味が含まれている。

「読んだよ」
「今日もここにきたよ」
「私のことを覚えてね」

と評価以前のあいさつも多いでしょう。
しかし「超いいね」となると、
そこにもう少し重みが加わる。
「いいね」ですむところをわざわざ
赤いハートマークを探してポチっと
するのですから、肯定の度合いが高いと
勝手に判断しています。

フェイスブックをはじめとするSNSには
批判もたくさんあります。

その中のひとつにこの「いいね」がある。

「安直な自己肯定観に満足しているだけ」
「傷のなめあいみたい」
「ほめることが前提になっているのがいや」
「『いいね』以外の感情を切り捨てている」

「いいね」を押すのが億劫で、SNSから
遠ざかった人もたくさんいます。
人間関係がこじれて、ひきこもって
しまった人もいます。
「いいね」と言われ、実力を伴わずに
天狗になった輩もたくさん見てきました。

それでも私が「いいね!」を肯定し、
ブログではなく、フェイスブックに投稿する
ことにはわけがあります。

リアルという渡世で、
人に褒められる機会って
滅多にないじゃないですか。

恋人にも伴侶にも、
家族にも友だちにも、
上司にも部下にも、
そして自分にも、褒められる機会は
少ない。

「がんばっている自分」

を甘やかすところがあっても
バチはあたらないと思うのです。

フェイスブックに集まる「いいね」に
魂がないことは100も承知。
安直な自己肯定と言われれば、まさに
その通り。

そんなことはわかっている
大人が集まるからこそ、会ったことの
ない人の、かすかな喜びや感動に、
「いいね」を押したくなる。
その気持ちは間違いなく、人を
後押しすると私は思うのです。

もっと積極的に、リアルな世界でも
「いいね」を言い合いたい。
相手の言ったこと、やったことに、
軽く「いいね」と言い合える感覚をもつ。

これもまた男の変わりドキ!だと
思うのです。

2018年も後半へ。
リアルでもバーチャルでも
「いいね!」と笑える関係をつくって
いくつもりです。


<ひきたよしあきプロフィール>
1960年生まれ
株式会社 博報堂クリエイティブ・プロデューサーとして働く傍らで、明治大学で講師を勤める。現在朝日小学生新聞にコラム「机の前に貼る一行」日経ウーマンオンラインに「あなたを変える魔法の本棚」を執筆中。著者に「あなたは言葉でできている」(実業之日本社)「ゆっくり前へ ことばの玩具箱」(京都書房)」「大勢の中のあなたへ」(朝日学生新聞社)「机の上に貼る一行」(朝日学生新聞社)「博報堂スピーチライターが教える短くても伝わる文章のコツ(かんき出版)最新刊」がある。

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