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男のオトナ思春期 男の変わりドキ!③

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 今現在フェイスブックの「友だち」は3,273人。
「フォロー」が2,744人です。
 本を出しても始めに印刷してもらえる数が
30,000から5,000冊。単純計算はできませんが、
毎日本を一冊書く程の人数が私の文章に触れていることになります。

 フェイスブックには批判もあります。
「もう古い。年寄りのメディアだ」
「書いている人は、賢い、面白いと思われたい自己顕示欲のかたまり」
「毎日の食事を載せて、何が楽しいの?」
 こう言われても、私はすでにおじさんだし、賢い、面白いと
思われるのが人生の悲願なのです。
「おっしゃる通り!」と思うだけで痛くも痒くもありません。

 なんであれ、自分が面白いとやっていれば
世間が、古い、新しい、正しい、間違いだなんていうのは
どうでもいいことです。
そんなもんに反応していたら「おっさん」の名が廃ります。

 顔も見たことのない人たちと毎日やりとりしていると
クラスメートのようになってくる。
リアルな場所で初めて会ってもイメージとズレることは
ほとんどありません。

 「初めてなのに、懐かしい」

 こういう気分を味わえるのは、人類史上私たちが
初めてではないでしょうか。

 先日の話です。
 早期発見の腎臓がんとはわかっているものの、
手術が近づくに連れて不安が募ります。
平然としていようと思うのですが、突然背後から襲われるように
不安や恐れが覆いかぶさってくるのです。

 その日も凹んでいました。基本的に弱虫なのです。
 午後になって宅配便が届きました。大きな段ボールです。
開けてみると、七色の折り紙で折られた千羽鶴でした。

 折ってくれた人の名前を見てびっくりです。
会社の顧問がいました。得意先もいます。
幼なじみもいれば、新聞コラムで知り合った子どもたちもいます。
一度もお会いしたことのない人もいました。
日本全国津々浦々のフェイスブック友だちが、
私の知らないところで連絡を取りあり、鶴を折り、
ひとつにまとめて送ってきてくれたのです。

 手紙を読むと旦那さんやお子さんと一緒に折っている人がいました。
10年ぶりに折ったという人もいました。
 文字を眺めているうちに、弱気の虫は確実にひねり潰されました。

 フェイスブックがフェイスブックを超えた瞬間でした。
私たちは過去人脈ともビジネスネットワークとも違う心で
つながる友だちをもつ。
この祈りの籠った鶴を見ながら私は、人間関係の変わりドキ!を実感しています。


ひきたよしあきプロフィール
1960年生まれ
株式会社 博報堂
クリエイティブ・プロデューサーとして働く傍らで、明治大学で講師を勤める。現在朝日小学生新聞にコラム「机の前に貼る一行」日経ウーマンオンラインに「あなたを変える魔法の本棚」を執筆中。著者に「あなたは言葉でできている」(実業之日本社)「ゆっくり前へ ことばの玩具箱」(京都書房)」「大勢の中のあなたへ」(朝日新聞出版 6月予定)がある。

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