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【にゃんこ先生の今日の養生(9)】

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プロ友 にゃんこ先生こと東洋医学の源保堂 瀬戸郁保先生が綴る、
日々の生活の中でのカラダのトリセツ(養生)コラムです。
東洋医学の考えに基づいたオトナ思春期(オトハル)世代に必要な知恵をご紹介します。
第9回は、「食べたいものを食べなさい!?」のオハナシ =^_^=
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養生と云いますと、とかく「冷たいものを食べちゃいけません!」
「甘いものをはほどほどに!」なんて小言になりがち。
そうなると、嫌われちゃいますね、養生なんてやってらんないと・・・。
今回はその逆、「食べたいものを食べなさい!」といういたってシンプル。

 江戸時代の貝原益軒は、その主著である『養生訓』の中で、
「食物の気味、わが心にかなはざる物は、養(やしない)とならず。かへって害となる。」
と云っています。分かりやすく訳しますと、「自分の好みに合わない食事は身体のためにならず、反って害になりますよ。」ということであります。

 現在私の嫁さんは、国際薬膳師の免許を取得後、
さらに中医大学の薬膳研究科に通っており、そこで実技授業を受けたりしています。
何人かでチームになって、テーマに合ったレシピを考えるそうなのですが、
リーダーになる人が迷い道にはまり込むと、たいへん不味い物ができるそうなのです。

 といいますのは、薬効を重視しすぎるあまり、あれもこれも入れてしまい、
その結果まとまりのない物が出来てしまうそうなのです。
こうなると、“食べたい”という気が起きませんよね。
無理に食べてもおいしくない、つまり身体が喜びません。
さらに、あっちもこっちも薬効を立てようとすれば、肝心の薬効だって怪しくなってしまいます。
 ということで、“食べたいものを食べる”というのは、身体にとっても、心にとっても健康の源でもあるわけです。

 ただし、貝原益軒は最後につけ加えています。
「又、味 心にかなへりとて、おおく食(くら)ふあしし。」
(また、味が食べたいものに一致してると云っても、食べ過ぎは身体に悪いです。)
 食べ過ぎは気をつけましょう(笑)。

 また、もう一つ大切なのは、体が良い状態にキープされていると云うこと。
身体が安定しているときは、身体は正しい情報を発するので、
今食べたいものが身体に合う物になります。

 しかし、身体のバランスが崩れているときは、
その崩れたバランスが欲する物なので、食べたいものにも偏りが出てきてしまいますので、
要注意。
 
身体の調子が良いと言うことは、食べたいものがそのまま自然と
身体に良いものになります。
逆にいえば、極端に甘い物が食べたいとか、極端に脂っこい物が続くというのは、
身体のバランスが崩れているサインでもあります。自分の食の好みの変化からも、
養生のヒントがありますので、身体の不調を感じたら、最近の食事を振り返ってみて欲しいです。
 ちなみにこのネコさんの写真は、お寿司屋さんの前にいたところを撮りました。
きっと毎日おいしいお寿司の残りでも食べているのだろうな~。
そのためか、毛がつやつや~。