文字サイズ

男のオトナの思春期 男の変わりドキ㉚ 「決断、ひとつ」

14215637_1222935627738031_1109599246_o

決断、ひとつ

太っている人の食行動を見ると、
明らかにカロリーの高い商品を
選択していると言います。

コンビニでサンドウィッチを選ぶとき、
「シャキシャキ・レタスサンド」
より「てりたまチキンサンド」を選んでいる。
そば屋に入って、「もりそば」よりも「カツ丼」を食べる。
ワンスプーンで食べられる食事を選ぶ傾向も強く、
酒も糖分の多いものが並びます。

ほとんど意識してないけれど、
そこには小さな決断があります。
瞬時に、「あれか、これか」と考えて、「
カロリー高め」を潜在意識が決断している。
その積もり積もった結果が、体型にあらわれ、
しばらくすると成人病予備軍の赤紙がやってくる。
「忙しくて」「接待が多くて」と弁解はしてみるけれど、
全く説得力がない。
きれいなまでの因果の法則です。

長く生きてくれば、大きな決断を下すことになります。
どこに進学するか、どんな職業に就くか、
誰と結婚するか、転職するか、離婚するか、
このまま日本に住むか否か・・・

その時は、必死に悩んだはずなのに、
あとになって後悔する。

「あぁ、あの時あっちの道に進んでいれば!」

と悩むことが数多くある。

人間って決断し、失敗し、後悔し、
また決断のときを迎えている。
それを繰り返すうちに、振り返ると、
どれもこれもがいい思いでになっている。
そんな風にして生きているのではないでしょうか。

友だちが、がん手術のためにシンガポールに
行くことを決断しました。

がん患者とは思えないほど明るく、
勢力的に動いている女性。
再発後に、生き抜く道を徹底的に調べ、
直に人に会い、学び、自らの経験と直感を
信じて決断されたのでしょう。

私は話をお聴きしながら、治療方法を
選択するまでの知識の蓄え方と果敢に攻めてゆく
決断力に敬服しました。

この女性は、仕事をいっしょにしていても、
常に自ら率先して動いている。
決めたことへのリスクの代償は、
私が払うと涼しげな顔をして言う。
数多くの決断と自己責任を重ねた結果、
がん患者であるのに、なんとも大きな自由を
手に入れているように見えるのです。

未熟な私には到底できません。
彼女を見ていると、人間の成熟とは、
決断を重ねた結果、自分の責任で生きることが
できるようになっている人だと思えてくるのです。

最近、少し太ってきた私は、
今日もまた小さな決断を迫られています。

天気のいい休日。少し増えすぎた体重を戻すために
ウォーキングにでるべきか、
たまの休みをだらだら過ごすべきなのか。

変わりドキ!って、突然くるものではなく、
ほんとは小さな決断の集積なんだよね。


<ひきたよしあきプロフィール>
1960年生まれ
株式会社 博報堂
クリエイティブ・プロデューサーとして働く傍らで、明治大学で講師を勤める。現在朝日小学生新聞にコラム「机の前に貼る一行」日経ウーマンオンラインに「あなたを変える魔法の本棚」を執筆中。著者に「あなたは言葉でできている」(実業之日本社)「ゆっくり前へ ことばの玩具箱」(京都書房)」最新刊「大勢の中のあなたへ」(朝日新聞出版)がある。  

15057808_1248516601880232_219772773_n

一覧に戻る